今回のイブニングシアターは「鉄道特集」と題して、前半(上映1、2)は、都市鉄道における安定輸送、開かずの踏み切り解消の取り組みと、それらの事業を実施するために使われる工事方法を理解していただくこと、また、後半(上映3)は、鉄道の果たす役割と、時代とともに他の交通機関に取って代わられるまでの鉄道の一生についてご理解していただくことを目的に上映します。皆様のご参加をお待ちしております。
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ポスター |
上映作品
東京都市計画 都市高速鉄道8号線 東京メトロ有楽町線
(小竹向原駅~千川駅間)連絡線工事について
企画 東京地下鉄 制作 東京地下鉄 2012年 15分
東京メトロ有楽町線・副都心線は、東武東上線和光市駅、西武有楽町線練馬駅の各方面と有楽町線新木場駅、副都心線渋谷駅の各方面を結ぶ4つの運行経路があり、運行経路は小竹向原駅・千川駅間で合流分岐する構造となっている。平成20年6月の副都心線開業を契機として、小竹向原駅・千川駅間の平面交差部がネックとなり、ダイヤ乱れや遅延等の問題が顕在化したため定時運行確保と安全性向上を目的とした輸送改善策として平面交差を解消する新たな連絡線の設置を計画した。連絡線は、和光市方面と新木場方面を結ぶバイパス線を開削トンネルとシールドトンネルで設置するもので、2010年に着手し、新木場方面については2012~2013年に切替工事を実施し、2013年3月の東急東横線直通運転とともに供用を開始した。引き続き現在も和光市、練馬方面の供用開始に向け鋭意工事を施工中である。 |
調布駅付近連続立体交差事業
企画 東京都・調布市・京王電鉄 制作 京王電鉄 2013年 15分
第26回(2014年)土木学会映画コンクール優秀賞
2012年8月19日、京王線柴崎~西調布間と相模原線調布京王多摩川間の区間の地下化切替え工事が完了した。18箇所の踏切を除去と8箇所の都市計画道路を立体化するとともに、調布駅で分岐する京王線と相模原線の平面交差を解消するものであり、道路と鉄道の安全性の向上と地域の一体化、鉄道の安定輸送向上が図られる事が期待される。切替え工事は、それぞれの切替え口の特性を考慮した独特な切替方式を採用し、関係者約5,000名を動員するとともに朝の列車を計画的に運休して代行バスを準備する大規模な工事となったが、当映像では技術的説明を平易に行っており、工事記録・施工記録・土木啓蒙作品として、いずれもインパクトがあって良い。地下化工事、切替工事と、それぞれで工法等を分かりやすく説明しており、周辺住民や代替交通等工事の周辺にもスポットをあてている。またナレーション、音楽、音声のバランスが良く見ていて飽きない。画質がよく静止画も画質の良いものを良く選んで使用しており、作品時間は短いが、地下化の様子が良く理解でき、京王線、相模原線の6線3口を在来線直下に新たに建設した地下線に一晩で切替える工事を良く伝える作品となっている。 |
魚梁瀬森林鉄道
-軌道が結ぶ結いの里-
企画制作 中芸地区森林鉄道遺産を保存・活用する会 2009年 29分
土木学会選定映像
魚梁瀬森林鉄道は高知県東部の徳島県境に位置する日本屈指の森林鉄道で、最盛期には200km超の延長を誇る文字通り日本の林業を支える基幹路線としての存在であった。「日本三大美林」の一つといわれる魚梁瀬杉を運搬することを主目的として1911年(明治44年)に開業したが、陸上交通網が整備されつつあったことに加えて、魚梁瀬ダムの完成により軌道が水没したことから1963年(昭和38年)に廃止となった。その面影は現在も現地に多々残っており、森林鉄道とは思えない本格的なトンネルや橋梁などの鉄道構造物は、国指定の重要文化財にも指定されており、基幹産業としての林業の重要さを今に伝える貴重な遺産であるとともに、当時の土木技術者の高度な力量を知る上でも後世に遺すべき財産である。 |
以上
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ポスター | 1.03 MB |