ようこそイブニングシアターへ
<<<第45回イブニングシアター 新技術と伝統技術>>>
(社)土木学会 土木技術映像委員会 主催
平成20年10月15日(水) 18時00分 開演 参加無料
【上総掘り】 37分 土木学会選定映像 10回コンクール優秀賞
企画 千葉県君津郡袖ヶ浦町教育委員会
制作 株式会社モロオカプロダクション
制作 1981年ごろ
この映画は、特に上総地方で発達した日本の伝統的な自噴式突きぬき井戸を袖ヶ浦町に約3ヶ月の日時をかけて掘った時の記録である。
道具や仕掛けの実際面を紹介し、一部アニメーションによる説明もある。明治年間には各地の温泉、油井その他にも用いられ、遠くはインドで技術書が出版されたことなどにも触れている。
現在、この技術の保有者は高齢であり、すべてが手労働であるため、機械掘りにくらべて費用・日数・労力がかかるので、これが最後のものになろう。
この技術の再現に用いられた道具一式は国の重要有形民族文化財に指定され県立上総博物館保存のものとほぼ同じである。
上総掘りの特色は、竹ヒゴ、ヒゴ車を用い、孟宗竹数本を束ねて作った弾木(はねぎ)の弾力を利用して掘削鉄管を上下させる点である。
仕掛けの原理、一見単純に見える道具のひとつひとつに先人の創意と工夫の跡が見られる。
井戸は粘土水を溜めた胴穴の片隅に掘る。このように泥水を用いる点、手掘りの感覚で地下水層を掘り当てること、その他さまざまな点に現在のボーリング技術の源を見る感があり、井戸掘りの原理も分かりやすい。
技術者にとっては、原点を見つめる縁ともなろう。得がたい貴重な記録である。
参考サイト 重要無形民俗文化財(民俗技術)の新指定について
【横浜大桟橋の軌跡を求めて】 37分 土木学会選定映像
企画 横浜市港湾局
制作 株式会社ジャパンフィルム
制作 1997年 6月
日本を代表する海の玄関「横浜港大さん橋」は、港都横浜のシンボルとして、明治、大正、昭和の激動の三時代を100年余りにわたって、海底から我が国を支え続けてきた。その「大さん橋」も21世紀に対応する再整備計画が進行し、施設の解体が始まった。
1894年に竣工した「鉄桟橋」が、どのように誕生し、拡幅され、さらに関東大震災からの復興で「大さん橋」へと変ってきたか、その生い立ちから全面撤去に至るまでの歴史を、解体時の技術検証シーンで詳しく解説している。
参考サイト:大さん橋のあゆみ
【第二東名高速道路 内牧高架橋】 17分 土木学会選定映像
企画 鹿島建設株式会社
制作 株式会社カジマビジョン
制作 2007年 1月
第二東名の静岡インター~藤枝岡部インター間、内牧川盆地に架かる21径間連続PC箱桁橋、内牧高架橋に採用された、画期的な構造形式・施工法を通して見る工事記録映像である。
断面底部に接続する斜め支持部材(コンクリート製ストラット)で、箱断面両側の張り出し床版を支え、広い幅員を確保する「ストラット付PC箱桁形式」、50mのスパンを、あらかじめ工事ヤードで分割製作した複数のセグメントで接続し構成する「断面分割型プレキャストセグメント工法」、1径間を跨ぐ移動式架設桁に吊り下げた、1径間分の複数セグメントにプレストレスを導入して緊結し、連続した21径間を次々と架設してゆく「スパンバイスパン工法」などを紹介している。
一連の複雑な工事過程を、早送りの映像を用いるなどして、わかりやすく表現している。土木技術者、土木系学生の教育場面などで効果的に使用できる。
DVD内には、本編に用いられなかった資料映像、また、本工事関連の資料文献等も収録されているので、工事の理解に役立つ。
参考サイト:第二東名高速道路の進捗状況
土木学会土木技術映像委員会では、土木技術者、学生及び一般市民を対象に土木技術及び土木事業の映像を通した広報活動を行っております。これまでに29回開催し、好評を得ましたイブニングシアターを引き続き今年度も開催いたします。
なお、本上映会は、社団法人全国土木施工管理技士会連合会の継続教育(CPDS)のユニットに加算され、社団法人土木学会の技術者継続教育(CPD)の単位になります。 場
所:土木学会講堂(100席)