昭和39年の東京オリンピックを目指して整備された交通インフラは東海道新幹線に象徴されるが、東京都内では地下鉄日比谷線や首都高速道路、モノレール羽田線や環七の立体交差などが挙げられ、特に地下鉄日比谷線と首都高速道路は都心部で連日工事が行なわれ東京に住む人々の記憶に留まることとなった。今回のイブニングシアターでは、今回初公開となる地下鉄日比谷線最後の工事区間となった日比谷付近の建設記録と久しぶりの上映となる首都高速道路の日本橋上空の高架道路架設工事の記録映像をご覧頂く。
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ポスター |
上映作品
日比谷279米 地下鉄工事記録
-帝都高速度交通営団 地下鉄2号線 日比谷一工区建設記録-
企画 株式会社 間組 制作 株式会社 英映画社 1964年 58分
第3回産業映画コンクール産業映画大賞受賞
土木学会選定映像
東京オリンピックまでの完成をめざして、1962年に着工された東京メトロ(当時は帝都高速度交通営団)日比谷線(地下鉄2号線)の日比谷一工区279mの建設記録である。この区間は、交通量が極めて多い晴海通りの日比谷から有楽町までの路面下の工事だが、工期は20か月と短く、軟弱なシルト層の掘削や老朽化した排水管の処理に直面し、難工事が予想された。地下の構造は3層で、1層は共同溝と自動車道路、2層は日比谷駅の施設、3層部分に複線の線路とホームが造られた。短い工期中に完成させる為、潜函工法と開削工法を併用する方法が初めて採用され、都電が走る晴海通りの下に10基の潜函を10m前後の間隔を開けて並べ、潜函相互の間は開削工法で施工された。この映画は、オリンピック前の都心の活気に満ちた風景を織り込みながら、工法や工事の進捗状況を丁寧に紹介するとともに、厳しい条件下で奮闘する作業員たちの姿も描いている。 |
川の上を走る高速道路-江戸橋インターチェンジと日本橋附近-
企画 首都高速道路公団 制作 理研科学映画 1964年 27分
現在は都心環状線の一部となっている日本橋上空の首都高速道路。この川の上を走る高速道路が生まれるまでには景観への配慮や新しい構造のチャレンジ、新たな施工方法の開発など、技術者と職人たちの努力があった。完成後は賛否両論ある日本橋上空の高速道路であるが、従来の橋梁や道路などの観念を離れた全く新しい構造を持ち、限りない発展を続ける大東京の中心部に美しい曲線を描く高速道路は新たな東京の径間として、首都機能を支える動脈となりダイナミックなスケールとメカニックな美しさを現在も維持している。この映像は、これらができるまでの工夫と苦労、努力の過程を描いたものである。 |
以上
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