【中部建設協会地域づくり技術研究所所長 境 道男氏による解説を予定】 |
企画:(社)中部建設協会 制作:(株)日映映像 2010年 16分
同パッケージより |
当作品は、2000年9月11日から12日にかけて東海地方を襲った集中豪雨による大規模都市型水害の被害状況および災害復旧を記録したものである。猛烈な集中豪雨が名古屋市およびその周辺の都市を直撃し、複数個所での堤防決壊、市内全域に及ぶ深刻な浸水被害など一時は都市機能が完全に麻痺する事態に至ったが、この作品は、刻一刻と拡大する被害状況を克明に伝えると共に、その後の被災の実態、応急対策、復旧対策などの進捗状況を映し出している。 以後に続く都市型水害のさきがけとなり、この災害を契機に法整備や対策事業の見直しが進められたという面でも注目すべきものであるが、防災対策への教訓や災害への備えの重要さを伝えて、特に都市地域住民の方々の防災教育などの機会での活用が期待される作品である。 |
企画:清水建設(株) 制作:(株)キャメル 2010年 20分
同作品パッケージより |
余部(あまるべ)鉄橋は、1912年に完成したJR山陰本線に架かる我が国最大級のトレッスル式橋脚を有する鉄橋で、土木学会の「近代土木遺産」のAランクに指定されている。しかし、築後100年経過したことによる耐久性の低下、1986年の列車転落事故で強化された風速規制による定時運行阻害等からコンクリート橋への架替が決定された。 本映像は、2007年3月着工後、過酷な自然環境のもと、営業線を運行しながら新橋を構築し、2010年8月12日に新たに生まれ変わるまでの工事の記録である。 特に難工事の地上40m長さ90m、重さ3800tの橋桁を既設鉄橋撤去から移動、回転、中央閉合、レール接合し完成に至るまでの工事記録映像が、設計者、現場所長のインタビューを交えて列車の風景とともに楽しめるなど、理解を深めるための工夫が随所に見られ、技術的価値の高い作品であると同時に一般の方々にも親しみやすい作品となっている。 |
企画:ペシャワール会 監督:平山穂波 制作:(株)日本電波ニュース社 2009年 56分
同作品パッケージより |
当作品は、アフガンで長期にわたり医療活動を続けてきた医師・中村哲氏が、アフガン大干ばつや、戦乱による多数の死者に直面し、医療による人命の救助のまえに、水の安定供給こそが食糧・健康・環境・生活共同体への根本的な解決への道と思い定め、独力で用水路建設に踏み切り、完成に至るまでの姿を描いたものである。現地の石組みなどの在来技術を極力活かし、持続的なメンテナンスを地域の人々がまかなえるように配慮し、多くの困難や失敗にもめげず地域の人々とともに何度も立ち向かっていく姿勢が浮き彫りにされている。 ラストシーンで現地の人々と喜びを分かち合う瞬間が映し出される映像は、命を守り生活を支える土木技術者の魂を伝えるものであり、大地の医師と呼ぶにふさわしい内容といえよう。 |