委員会が依頼した論説委員以外の識者が執筆する。
伊藤毅 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授
都市建築史を専攻する筆者からみると、建築―都市―土木は一体的なものとして理解できる。東京大学GCOEでの諸活動を通して、その事実はさらに確信されることになった。 また2011年の東日本大震災のあと、わたくしは「危機と都市」というテーマを考え続けたが、その思考もまた、建築―都市―土木を一体的なものとして連関させることが重要であることにつながっていった(伊藤毅他編著『危機と都市』左右社、2017年)。本稿では、広い視野から各領域の専門性を連携させていく意義を述べたい。 (2017年11月版) 第126回論説・オピニオン(2) 建築と土木をつなぐ愉しみ-学連携の意義
湧川勝己 一財)国土技術研究センター 京都大学防災研究所巨大災害研究センター
今後発生が予想されている巨大災害は、経済成長率が低く、高齢者人口が増加しているなど社会・経済の脆弱性が高まっているわが国に大きな負のインパクトを与える可能性が高い。災害の影響を最小限に抑える気候変動適応策の展開方策について実効的な検討を行い、早期の展開を図る必要がある。 (2017年7月版) 第122回論説・オピニオン(2) 将来の変化に対応する治水適応策の早期実施・展開を
福和伸夫 名古屋大学 減災連携研究センター
国難とも言われる南海トラフ地震。困難な時代の中、この災害を克服し、未来の子供たちに社会を継承することが我々の責務である。見たくない現実を直視して、現代社会を俯瞰的に点検し、致命的な災害病巣を治癒・切除する必要がある。「地」に根付き、新たな価値観で「地」の力を醸成し、自律・分散・協調型社会を実現したい。 (2017年4月版) 第119回論説・オピニオン(2) 「地」を大切に「克災」し「減災ルネサンス」で未来を拓く
馬奈木俊介 九州大学
新国富論の枠組みを用いることで持続可能性の条件になることが統合的に理解できる。これからの社会資本のストック・マネジメントには、総合評価を明示的かつ定量的にしていくことで、どのインフラがいつどこで必要なのか示していく必要がある。 (2017年1月版) 第116回論説(2) 豊かさを目標とするインフラ整備
小池 俊雄 東京大学、土木研究所
2015年に合意された3つのグローバルアジェンダ(仙台防災枠組、持続可能な開発目標、パリ協定)の経緯と相互の関連性、全体としての捉え方を論じ、合意を実行に移すために必要な科学・技術の在り方と役割、またその実現・加速の方法論を示す。 (2016年12月版) 第115回論説(1) 2030年に向けたレジリエントな社会づくり
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