論説委員が執筆する。
論説委員 小磯 修二 釧路公立大学
「コンクリートから人へ」の理念による公共事業の大幅な削減の下、地方においては、公共事業に依存する経済構造からの脱皮が急務となっている。そのためには、社会資本整備のストックを有効に機能させながら、自らの地域資源を生かして自力で発展していく成長戦略の構築を目指していく必要がある。そこでは、地域内での資源を生かして生産、消費、投資の域内循環システムを強化していく発想と視点が重要である。 (2010年2月版) 第33回論説(1) 社会資本整備と地域の成長戦略
論説委員 塩谷 喜雄 日本経済新聞社
アカデミズムが変容を迫られている。奇妙に世慣れた勝ち組学者連合となるか、俗世を捨てた仙人カルテルを形成するのか。事業仕分け騒動で見えた新しいアカデミズムへの期待は、割り切れぬ現実のしがらみや公共事業の論理と格闘してきた土木アカデミズムにあるのかもしれない。そろそろ沈黙を破り、秘すれば花の意識を捨てて、発信すべき時ではないか。 (2010年1月版) 第32回論説(2) 「アカデミズムの存在理由」
論説委員 竹村 公太郎 リバーフロント整備センター
2008年金融危機が世界を襲い1年後の日本では政権が変わった。社会の上部構は目まぐるしく変化し、劇場化した経済や政治に人々は目を奪われている。この時期にこそ、文明を支える下部構造(インフラ・ストラクチャー)を担う土木技術者は、未来に向かい何を準備すべきかを議論し、社会に主張していくことが必要となる。 (2010年1月版) 第32回論説(1) 文明の頂点にて
論説委員 冨岡 征一郎 鹿島建設(株)
わが国建設業に大変革が訪れつつある現在、海外への対応はますますその重要度が増すものと思われるが、大規模、多様化が急速に進む国際市場にあってその国際競争力は必ずしも強いとは言えないのが現状である。国内において教育あるいは経験する機会がほとんど無かったことが競争力を醸成し得なかった背景要因にある。現状を打破するためには学・官・民が協働のもとオールジャパンの対応が急務であることを強調する。 (2009年12月版) 第31回論説(2) 海外土木事業におけるわが国の競争力
論説委員 橋本 鋼太郎 (株)トヨタエンタプライズ
時代の変化に従い新しい土木の理念を再構築すべきである。土木が貢献する自然環境、国土保全等の新しい分野。価値観の多様化に対応した民主主義的合意形成のプロセス。専門化した個別の施設の視点ではなく総合性のある地域からの発想。歴史を振り返りつつ土木の技術や公共性については哲学的探求の必要性 (2009年12月版) 第31回論説(1) 変化する時代の土木のあり方
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