論説委員 河田 恵昭 関西大学・教授
首都直下地震に続いて首都圏水没が起これば、未曾有の被害の複合災害となる。首都は壊滅し、わが国も衰亡する。首都直下地震では、巨大な社会システムの複雑さゆえに対策は進んでいない。これに首都圏水没が続けば、被害は想像をはるかに超える。首都圏の現状は、「壊滅」という氷山に向かうタイタニック号そのものである。 (2010年8月版) 第39回論説(1) 首都壊滅
村田 進 (財)沿岸技術研究センター参与
わが国の土木技術は世界最高水準であるが、コスト面等から世界に広く受け入れられているとは言えない。しかし、ソフト面の防災技術のように、ニーズに合致し移転の効果が高い技術も多いのではないか。チリ地震津波の現地調査や、チリやインドネシアでの津波防災技術の啓発活動の体験に基づき、技術発信の必要性を述べる。 (2009年8月版) 第39回論説(2) 津波防災技術の世界への発信
宮川 豊章 京都大学教授
土木施設の性能を照査して寿命を推定することのみでは市民に対して不親切である。どのような生涯を送らせるべきかを検討し、豊かなシナリオを描き提案しなければ、市民は土木施設の素晴らしさなど理解しようがない。ここに夢のある創造的なシナリオデザインが必要なのである。 (2010年7月版) 第38回論説 シナリオデザインのすすめ:平知盛の憂鬱
曽野 綾子 作家
我が国で「断水」という言葉がほとんど使われない現在なお、途上国では生活用水が渇水しかけている土地が実に多い。水を充分すぎるほど確保すると言うのが人間の基本的な知恵であり、日本ではダムを作り断水の起きないシステムを作ってきた。土木の仕事には無言の自負の部分が確固としてあるはずだ。世間がどんなに軽薄でも、信念だけは失わないことを「土木屋さん」たちに望みたい。 (2010年6月版)
第37回論説 水不足の世界で
財満 英一 東京電力(株)技術部部長
UHV技術は、大容量の電力を遠隔地へ送電する超高圧送変電技術であり、旺盛な電力需要をもつ中国など世界のマーケットでも注目されている。昨年、日本発のUHV技術(標準電圧)が国際標準となった。本稿では、UHV技術の国際標準化に向けた日本の活動を紹介し、土木技術の国際標準化を目指す読者の一助としたい。 (2010年5月版) 第36回論説(2) 日本発の技術を国際基準に
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