論説委員 西川 和廣 国土交通省 国土技術政策総合研究所所長
電気自動車(EV)の普及を単に環境技術、自動車技術の世界の話ととらえていないだろうか。現在起こりつつある我が国の先進技術の集積と組み合わせることにより、人の移動と物流を担う道路インフラの役割を大きく変え、少子高齢化・人口減少時代の国力を支える可能性のあることに土木技術者達は早く気づくべきである。 (2011年2月版) 第45回論説(2) 電気自動車(EV)普及が拡げる道路インフラの可能性への期待
論説委員長 栢原 英郎 (社)日本港湾協会 会長
羽田空港第4滑走路(Dラン)の完成は多くの関係者の努力と決断の結果であるが、それを結実させたのは我が国の建設業が持つ総合的な技術力とともに社会的使命感である。公共事業の発注方式が変化する中で、官の関与は少なくなり民の役割が大きくなる。質の高い社会資本を整備していくためには、企業の持っている社会的使命感が維持されるようにすべきである。 (2011年1月版) 第44回論説(1) 我が国の建設業が持つ社会的使命感
論説委員 橋本 鋼太郎 (社)日本道路協会 会長
土木は自然と社会を象徴的に意味する語であると考える。土木学は自然と社会の中で人間がいかによく生きるかを探求する学問である。よく言われる社会基盤整備はその一分野、一手段である。即ち、土木学は土木工学を中心により広く発展した学問であり、科学、哲学、倫理学、社会学、政治・経済学、文学、芸術との学際分野を領域とする総合的学問である。そして、自然と社会に貢献するという公共の心を持つことを基本理念とする学問であると考える。 (2011年1月版) 第44回論説(2) 土木学の意義
論説委員兼幹事長 佐藤 愼司 東京大学大学院 教授
土木事業の合意形成においては、科学的・客観的な議論の場と、民主的・社会的な議論の場の二種類の議論を段階的に進めることが重要である。土木工学の専門家は、それぞれの場において、主体的な役割を果たすことが求められている。そのためには、少なくとも数十年以上の長期にわたって、事業に関与し得る仕組みを構築する必要がある。 (2010年12月版) 第43回論説(1) 合意形成における専門家の役割
桑子 敏雄 東京工業大学大学院 教授
参加型合意形成プロセスを含むプロジェクト・マネジメントの最先端事例である「宮崎海岸侵食対策事業」を紹介しながら、社会基盤整備をめぐる合意形成プロセスの構築の場面における専門家の役割(事業の内容についての専門的知識の供与と事業推進への参画)について論じる。 (2010年12月版) 第43回論説(2) 合意形成の場における専門家の役割について
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