「国際センターだより」では、土木学会の国際活動の一端を紹介しています。国際センターが毎月発行している「国際センター通信」と合わせて是非ご一読ください。
■英国分会 津村照彦をお迎えしてミニ講演会!
2024年度の国際行事は、英国分会津村照彦氏をお迎えしたミニ講演会からスタートである。 津村氏は日本のコンサルタント業界を経て英国に渡り、コンサルティング会社を立ち上げてロンドンを拠点に活躍しておられる。今回、津村氏の一時帰国の機会を捉え、お忙しいスケジュールの合間を縫って当会にお越しいただき、“ミニ講演会「ネットゼロエミッション達成にむけ建設部門従事者に期待される役割」”を行った(4月10日10:00 〜11:30@土木会館、ハイブリッド形式)。
われわれは今、地球温暖化という予断を許さない課題を突き付けられている。この課題に対する英国、そして日本の動きを見ておられる津村氏は、両国の取り組み現状とともに土木技術者の役割を説かれた。エミッション削減に戦略的に取り組む英国の進捗と、日本の歩みのゆっくりとした取り組み人々の意識の違いを指摘し、土木技術者はそこで大きな役割を持っていると言う。それは、気候暖化によって発生する自然災害の対応にとどまらず、根本的な原因である温室効果ガス排出量を削減するためのプロジェクトを提案し、資金を確保して形にしていくことである。
また、ネットゼロ達成のシナリオの中には、低炭素電力、バイオエネルギー、水素、エネルギー・資源効率、社会・行動学的変化、植林、農地を含む土地改良があり、それらを具体的に進めるための明確な戦略、法制度、民間投資、われわれの日常行動と意識が必要不可欠、そして、それらが全てそろったところでネットゼロ達成に一歩近づくことができるというものである。現状のままであれば、2050年までにネットゼロ達成することは、スピーディーに動く英国でさえ懐疑的であるのだから、日本は間に合いそうにない。
しかし、土木技術者・研究者がタッグを組んでぶつかっていけば大きすぎる課題と挑戦を超えて、道を拓いて前に勧めるだろうと期待する。
今回、津村氏の講演を聞き逃した方、また再度お聞きになりたい方は、津村様の講演資料を国際センターのウェブサイトにアップしているので、ぜひアクセスしていただきたい(https://committees.jsce.or.jp/kokusai/node/387)。
津村照彦氏の講演
国際センターだよりバックナンバー
国際センター通信は、土木学会の国際活動・技術交流を中心に情報を集め、月1 回国内外に発信しています。 国際センターや海外支部(英国、韓国、台湾、トルコ他、全9 分会)の活動や行事、ACECC(アジア土木学協会連合協議会) の動き、調査研究委員会(31 分野)の国際活動、国内外で活躍する技術者・研究者、最新技術やユニークなプロジェクト等、 当会を通して今の土木界の側面を楽しく面白くお伝えしています。皆さまの御希望やご要望をお待ちしています。
今月号は、3 月に木村国際センター長のメッセージに続き、七條国際センター長代行のメッセージからスタートします。コロナ禍を経た今、国際センター役割について期待が述べられています。そして、第23 回世界で活躍する日本の土木術者シリーズシンポジウムを紹介いたします。今回はJICA がアフリカで展開するインフラプロジェクトの事業効果を議論しました。次に、11 月18 日「土木の日」を祝う毎年恒例の「土木コレクション」を紹介します。今回もまた東京都建設局との共催で「東京 橋と土木展」を同時開催し、大勢の方々が立ち寄りました。最後に、これまた毎年の行事であります留学生向け企業説明会の様子をお伝えします。毎年参加くださる企業に加えて新たに参加する企業も徐々に増え、並行してオンライン開催により東京以外のエリアの留学生の参加が増えていることから、日本企業と留学生の情報交換の機会として定着しつつあること伺えます。
ぜひ感想やコメント、読みたいトピックなどお知らせください。
1) 今後の国際活動の拡充への期待 ~国際センター長代行 あいさつ~ 2) 世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ第23 回シンポジウム「アフリカのインフラプロジェクトとその事業効果」 3) 2023(令和5)年度 土木の日およびくらしと土木の週間 4) 第11 回 留学生向け企業説明会(オンライン)
①お知らせ
【今後の予定】
②配信申し込み ③英語版Facebook
【2022年度 国際活動奨励賞 受賞者インタビュー】井澤 淳 氏 (公益財団法人 鉄道総合技術研究所 鉄道地震工学研究センター 地震動力学 上席研究員(GL))
土木学会国際センターでは、土木学会 国際貢献賞、国際活動奨励賞を受賞されたみなさまの功績、成果を広く紹介したいと考え、受賞者紹介インタビューを公開しています。
今回は2022年度 国際活動奨励賞を受賞されました井澤 淳 氏 (公益財団法人 鉄道総合技術研究所 鉄道地震工学研究センター 地震動力学 上席研究員(GL))をご紹介いたします。
井澤氏は2010年に土木学会 アジア土木学協会連合協議会(Asian Civil Engineering Coordinating Council: ACECC)担当委員会に参画以来、土木学会が主導するTC12において日本の鉄道技術を教育マニュアルとしてとりまとめるなど、日本の土木技術のアジア展開に長年貢献されました。2016年からの6年間は担当委員会幹事長として年2回の理事会対応、TC活動支援、加盟他機関との連絡・調整、ACECC賞応募支援など、多岐にわたって土木学会のACECC活動を支えてきました。 本動画ではACECCの紹介およびその活動と苦労をお話いただきました。
●動画内容
下記の動画をクリックし、ご視聴いただけます。 他の受賞者様のインタビュー動画も土木学会ホームページ、土木tv (土木学会tv / JSCEtv - YouTube)にて随時アップいたしますので、ぜひご覧ください。
各賞の説明は以下の通りです。
【国際貢献賞】 日本と海外との間の交流・協力を通じて、日本を含む国際社会における土木工学の進歩発展あるいは社会資本整備に貢献し、その活動が高く評価された者。(全ての国の国籍保持者が対象) 過去に国際活動奨励賞または国際活動協力賞を受賞した者も選考対象となりえる。
【国際活動奨励賞】 日本と海外との間の交流・協力を通じて、日本を含む国際社会における土木工学の進歩発展あるいは社会資本整備に貢献し、今後もその貢献が大きく期待される者(全ての国の国籍保持者が対象)で、2024年の4月1日現在で概ね満50歳以下である者。
※令和4年度より、国際活動奨励賞と国際活動協力賞との区分をなくし国際活動奨励賞のみとしました。
★参考
・国際貢献賞 受賞者一覧:https://www.jsce.or.jp/prize/prize_list/10_kouken.shtml
・国際活動奨励賞 受賞者一覧:https://www.jsce.or.jp/prize/prize_list/11_katudo.shtml
・国際活動協力賞(R4年度まで):https://www.jsce.or.jp/prize/prize_list/11_katudo.shtml
◆土木学会賞 トップページ:https://www.jsce.or.jp/prize/index.shtml
IABSE JapanおよびIABSE2025 運営委員会よりご案内です。
IABSE Symposium Tokyo 2025が2025年5月18~21日に東京(早稲田大学井深記念大ホールおよびリーガロイヤルホテル)で開催されます。
アブストラクトの投稿は7月31日までです。詳細および、投稿要領について下記ご参照ください。
IABSE Japan 藤野陽三、中村俊一 IABSE2025 運営委員会 秋山允良 竹内徹山田哲 長山智則
IABSE Symposium Tokyo 2025が2025年5月18日(日)から21日(水)にかけて早稲田大学井深記念大ホールとリーガロイヤルホテルにて開催されます。「Environmentally friendly technologies and structures - Focusing on sustainable approaches」をメインテーマとして掲げ、木材の活用やGXから、維持管理や災害レジリエンス、DXの活用に至るまで多様な観点から持続可能性について議論する機会となります。 日本では,2015 年にIABSE Symposium を奈良で開催しております.それから10 年の節目となる2025 年に,改めて東京で開催します。このシンポジウムを通じて、最新の知見を共有し、国際交流を促進する場としたいと考えています。現在、アブストラクトの投稿を受け付けておりますので、ぜひご投稿をご検討ください。大学教員や企業の皆様におかれましては、学生や同僚の方々にも広くご案内いただければ幸いです。
★IABSE Symposium Tokyo 2025 ・Webページ:https://www.iabse.org/Tokyo2025/ ・日程:2025年5月18日(日)-21日(水) ・場所:早稲田大学およびリーガロイヤルホテル ・アブストラクト投稿締切:2024年7月31日 ・アブストラクト投稿先:https://app.oxfordabstracts.com/stages/6961/submitter ・フルペーパー投稿締切:2024年12月15日
IABSE Symposium Tokyo 2025に関連して、5月18日(日)にはYoung Engineers Colloquiumを開催します。第1回を2018年に同済大学で、第2回を2019年に東京工業大学にて、第3回を2024年1月にソウル国立大学にて開催し、いずれも好評をいただいております。技術発表セッションとブリッジ・コンペで構成される予定です。今回は、東アジアだけでなく、ドイツのIABSEグループとも共催を予定しています。また、5月22日(木)、23日(金)にはそれぞれ関東地方、関西地方においてテクニカルツアーも予定しております。詳細がきまり次第ご案内いたします。
連絡先:長山智則(nagayama@bridge.t.u-tokyo.ac.jp)
■土木グローバル化総合委員会 ディスカッション「土木界のグローバル化への取り組み」開催! 2022年度にスタートした上田会長プロジェクト( https://committees.jsce.or.jp/chair/taxonomy/term/18 )は、「土木のグローバル化」をキーワードに掲げ、土木グローバル化総合委員会傘下の3つの小委員会が独自のアプローチで活動を展開してきた。 2024年1月26日には、「土木界のグローバル化」をテーマに、2部構成でディスカッションを開催した。第1部では、各小委員会の委員長が2022年度からの取り組みとその成果を発表した。第2部では、土木技術者の国際化実践小委員会 若手委員が活動を通じて得た知見を共有し、木村 亮 副委員長(土木グローバル化総合委員会)の司会進行のもと、小委員会の若手委員と「海外×土木」ワーキングメンバー(企画委員会・学生小委員会)とディスカッションを行った。参加者からは、「国際化の課題や今後の取り組みについて理解を深めることができた」とコメントが寄せられた。 プログラム詳細および当日ディスカッションの様子は、国際センターウェブサイト( https://committees.jsce.or.jp/kokusai/node/364 )よりご覧ください。
土木グローバル化総合委員会 ディスカッション
■九州大学にて出前講座を実施! 土木学会 国際センター・教育グループは、2019年から日本の未来を担う若い世代に向けて、海外プロジェクトの重要性や国際舞台での業務を伝えるため、大学にて出前講座を提供している。 2023年、本活動が開始してから5年目を迎えるにあたり、京都大学、芝浦工業大学、北海道大学に加え、2024年1月19日には九州大学工学部における「土木と社会セミナー」にて出前講座を実施した。本セミナーでは、約80名の工学部2年生を対象に、高橋 秀 氏(日本工営ビジネスパートナーズ株式会社 人財企画部長)より「若手技術者のキャリア形成 - 建設コンサルタントの場合-」について講演いただいた。講演では建設コンサルタント業務の紹介をはじめ、期待される技術者像やキャリア形成について具体例を紹介いただいた。詳細について、国際センター通信4月号( https://committees.jsce.or.jp/kokusai/https%3A//committees.jsce.or.jp/ko... )をご覧ください。 高橋 秀 氏の講演
【2022年度 国際活動奨励賞 受賞者インタビュー】西澤 健太郎 氏(株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル 軌道交通技術第一部 次長)
今回は2022年度 国際活動奨励賞を受賞されました西澤 健太郎 氏 (株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル 軌道交通技術第一部 次長) をご紹介いたします。
西澤氏は約12年間にわたり、主に鉄道案件事業でアジアを中心に計画から事業完成まで幅広いプロジェクトに従事し、日本の鉄道技術を導入した案件形成、設計、および施工管理を担当することを通じて社会資本整備に貢献いたしました。
本動画では海外プロジェクトの紹介とその苦労、そして若手技術者へのメッセージをお話いただきました。
【2022年度 国際活動奨励賞 受賞者インタビュー】星谷 寛 氏(PT. Bhimasena Power Indonesia General manager(出向元:電源開発(株)))
今回は2022年度 国際活動奨励賞を受賞されました星谷 寛 氏(PT. Bhimasena Power Indonesia General manager(出向元:電源開発(株)))をご紹介いたします。
星谷氏は東京大学を卒業後、2000年に電源開発(株)に入社し、2007年から国際事業部に配属されました。
その後、米国、スリランカ、インドネシアでの海外発電所プロジェクト業務に従事し、貢献されました。海外プロジェクトでの苦労、やりがいを熱くご紹介いただきました。
ぜひご覧ください。
・土木学会 国際センターウェブサイト:https://committees.jsce.or.jp/kokusai/
①自己紹介 ②研究テーマ・携わったプロジェクト紹介 ③もともと海外志望でしたか? ④駐在中大変だったこと ⑤今後の目標 ⑥若手技術者へのメッセージ
【国際センターミニ講演会】英国分会 津村 照彦氏 プレゼンテーション: 「ネットゼロエミッション達成に向け、建設部門従事者に期待される大きな役割」
国際センター・国際展開プロジェクト形成検討小委員会は、土木学会 英国分会所属 津村 照彦氏(London Research International Ltd.)をお招きし、「ネットゼロエミッション達成に向け、建設部門従事者に期待される大きな役割」と題したミニセミナーを4/10に開催します。
●概要
・主 催:国際センター・国際展開プロジェクト形成検討小委員会 ・日 程:2024年4月10日(水) ・時 間:10:00~ 11:30 ・会場:土木会館 A会議室 ・実施形式:対面&オンラインのハイブリッド形式。
■津村氏のプレゼン概要 地球温暖化は人類が直面している喫緊の課題です。建設分野に従事する皆さんは、この課題に対して大きな役割を果たすことを期待されています。その役割は温暖化が引き起こす異常気象による災害に対する対策を講じることのみではなく、温暖化の原因である温室効果ガスの排出量(エミッション)を削減するためのプロジェクトを提案し、投資可能なものに発展させ、実施することです。このようなプロジェクトへの投資資金は増えているが、投資できるプロジェクトが不足していることが今日、世界的な課題となっています。 日本政府はエミッションを2030年までに2013年比で46%削減することを公約していますが、今日までにそのおよそ1/3の17%程度しか削減できていません。1990年比では8%程度の削減にとどまっています。一方、G7の中で最も先行している英国は既に1990年比で48%削減し、2030年までに最低でも68%削減するという公約を満たしそうですが、予断を許しません。日英共に2050年までにネットゼロを達成するという公約をしていますが、先行する英国でさえ、その実現は懐疑的です。 今回のプレゼンテーションでは、主に、エミッションの削減で先行する英国の進捗状況をお話いたします。ネットゼロを達成するためにどのようなスピードが必要であるのか、を感じていただき、建設部門従事者としてより一層、エミッションの削減努力に関与していただければ幸いです。加えて、私見ですが、日本での削減が進んでいない理由についてお話いたします。
1. ネットゼロへの道のり 2. 規制・制度のフレームワーク 3. ネットゼロ達成の全体像 4. 特定のテクノロジー・産業部門の動向 5. 日本における規制・制度の不備 6. 建設部門従事者に期待される役割
●プログラム ①オープニング(5分) ご挨拶 趣旨&概要 七條センター長代行 ③津村様 プレゼン (50分) ④意見交換(30分) ⑤まとめ (5分)
●お申し込み:
下記フォームよりお申し込みください。お申し込み後、視聴URL記載の参加券メールが送信されます。
・オンライン申し込み:https://www.jsce.or.jp/events/form/606003
※申し込み期限:・申込締切:2024年4月9日(火)17時まで
※対面参加の方は国際センター「iad@jsce.or.jp」までメールにてご連絡をお願いいたします。
お問い合わせ:
・土木学会 国際センター( iad@jsce.or.jp )
【2022年度 国際貢献賞 受賞者インタビュー】小山 彰 氏(一般社団法人 水底質浄化技術協会 専務理事(当時))
今回は2022年度 国際貢献賞を受賞されました小山 彰 氏(一般社団法人 水底質浄化技術協会 専務理事(当時))をご紹介します。
小山氏はJICAの技術協力プロジェクト「南スーダン国内水輸送運用管理能力強化プロジェクト」に従事し、内戦後の南スーダンの河川インフラの整備と運用管理能力の向上の支援に貢献いたしました。 本動画では、技術協力の意義や課題、安全対策の重要性などについて、そして若手へのメッセージについても語っていただきました。ぜひご覧ください。
①自己紹介 ②研究テーマ・携わったプロジェクト紹介 ③若手技術者へのメッセージ
【2022年度 国際活動奨励賞 受賞者インタビュー】古川 徹 氏 (大成建設株式会社 国際支店 シンガポール環状線マリーナベイ駅改修工事T2916作業所長)
今回は2022年度 国際活動奨励賞を受賞されました古川 徹 氏 (大成建設株式会社 国際支店 シンガポール環状線マリーナベイ駅改修工事T2916作業所長)をご紹介します。
古川氏は、インドネシ及びシンガポールにて海洋調査、海岸保全工事、地下鉄工事などに従事し、現地の発展に貢献いたしました。 本動画では、海外プロジェクトの魅力、そして若手へのメッセージについても語っていただきました。ぜひご覧ください。
①自己紹介 ②研究テーマ・携わったプロジェクト紹介 ③海外を志望した時期 ④若手技術者へのメッセージ