1.はじめに
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により,多くの尊い命が失われたことに深く哀悼の意を表わします.同時に被災された皆さま,そのご家族に,心よりお見舞い申し上げます.
今回の地震津波により東京電力(株)福島第一原子力発電所において大きな事故が発生し,現在でも懸命な原子炉冷却作業が続けられております.周知のように,福島第一原子力発電所に来襲した津波高さは想定されていた津波水位を上回ったこと,津波が原子炉建屋敷地まで浸水して非常用電源が喪失されたことが事故の要因であること,津波の想定方法が原子力土木委員会でとりまとめた「原子力発電所の津波評価技術」に基づいたこと,などが公表されております.
当委員会では,東北地方太平洋沖地震の発生に伴う同原子力発電所の事故を原子力土木技術の観点から非常に重大なものと受け止め,今回の地震津波について調査研究を行い,その成果を公表することを予定しております.
2.これまでの対応
- 「原子力発電所の津波評価技術(平成14年2月)」を広く閲覧していただけるよう,原子力土木委員会のHP上で全文掲載しました.
http://committees.jsce.or.jp/ceofnp/node/5
- 報道機関等から問い合わせの多い内容をとりまとめて原子力土木委員会のHP上に掲載しました.http://committees.jsce.or.jp/ceofnp/node/7
3.当面の活動
- 今回の地震を踏まえて,「原子力発電所の津波評価技術」に沿った評価を実施します.その結果は,原子力土木委員会での検討はもとより,インターネットサイトで公開し,報告会を実施する予定です.
- 今後,土木学会・東日本大震災特別委員会等と連携し,今回の地震及び津波の解明とその教訓を活かすために,行動していく所存です.