超高強度繊維補強コンクリート『サクセム』
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依頼者
サクセム研究会
(鹿島建設株式会社、デンカ株式会社、
住友電気工業株式会社、三井住友建設株式会社)
有効期限
2021.11.15から2026.11.14 の5年間
評価履歴
初回:2006年11月15日
更新1回目:2011年11月15日
更新2回目:2016年11月15日
更新3回目:2021年11月15日
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概要
「超高強度繊維補強コンクリート『サクセム』」は、日本国内の材料と技術で構築したコンクリートです。
セメントと特殊混和材を含むプレミックス粉体、細骨材、特殊鋼繊維、特殊減水剤及び水とで構成されています。水結合材比15%程度で水和反応によって化学的に緻密化された硬化体を形成し、通常のコンクリートに比べて格段に高い圧縮強度及び耐久性を実現しています。
また、特殊鋼繊維を混入することにより、高い引張強度と高い靭性が得られ、サクセムが引張応力を負担することができるため、構造物に鉄筋を配置する必要がありません。
技術の特長
我が国独自の技術で開発された超高強度繊維補強コンクリート(UFC)の『サクセム』は、画期的な構造物を実現します。
『サクセム』の6つのメリット
1. 設計基準強度180N/mm2を実現
高い圧縮強度を有するため、超高強度部材が実現できます。
2. 鉄筋が不要
高い引張強度とじん性により、鉄筋を配置する必要がありません。
3. 極薄部材を実現
圧縮強度が高く、鉄筋が不要なため、部材厚さを極限まで薄くすることができます。
4. 複雑な部材も製作可能
流動性が高く、自己充てん性を有するため、薄い部材や複雑な形状の部材でも製作が可能です。
5. 建設費を低減
部材の軽量化により、架設費や基礎の建設費の低減が実現できます。
6. ライフサイクルコストを低減
耐久性が極めて高く、ライフサイクルコストを低減することが可能です。
『サクセム』を用いたUFC床版
・UFCの高い強度を生かして軽量化を実現
・輪荷重走行試験等により100年以上の疲労耐久性を確認
・材料の緻密さにより高い耐久性を実現 ⇒ 道路橋の長寿命化に寄与
『サクセム』を用いた高性能RC橋脚「HiDuc橋脚」
・常時、L1地震後における高い耐久性
・L2地震後における耐震性の保持と高い復旧性
・想定以上の地震に対する高い耐震裕度
実績
■ 実績データ
<⽤ 途> 橋梁7件、床版9件、型枠4件、建材7件、その他5件
■ 施工事例
下記以外にも多数の事例が紹介されています。こちらからご確認ください。
【サクセム床版】信濃橋入路
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サクセム床版製作状況
サクセム床版設置完了
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『サクセム』が国内で初めてワッフル型床版(道路橋)に採用された事例です。
阪神高速道路西船場ジャンクションの1号環状線信濃橋
入路のうち一般国道172号と交差する新設の鋼単純合成
鈑桁橋です。
床版の高耐久化と軽量化および床版架設工事の急速化を
実現するために採用されました。
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【プレストレストコンクリート歩道橋】リバーサイド千秋連絡橋
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サクセムの製造
連絡橋完成
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厳しい建築限界をクリアする低桁高の歩道橋を『サクセム』により実現した事例です。
リバーサイド千秋連絡橋は、道路を挟んで建設された
商業施設の2階同士を連絡するための歩道橋です。
建物の階高制限と道路の建築限界から桁高を極限まで
小さくするためにサクセム桁が採用されました。
サクセム桁を採用したことにより上部工の重量が大幅に
軽量化でき、制振橋脚工法を併用することにより、基礎工に関しては約50%と大幅なコストダウンにつながりました。
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■ 発表文献
2006年7月~2020年5月:92件
■ 受賞履歴
2022 年 6 月:土木学会技術賞
《阪神高速 12 号守口線への平板型 UFC 床版の適用「先進技術の活用による 道路橋床版更新の高度化」》
2021 年 6 月:コンクリート工学会賞技術賞
《阪神高速道路信濃橋入路橋におけるワッフル型 UFC 道路橋床版の施工」》
2019 年 6 月:土木学会田中賞作品部門(技術)
《阪神高速玉手入路への「平板型 UFC 床版を用いた床版取替え技術」》
※その他:UFC 床版関連で技術開発賞等の受賞 4件
関連情報
【ウェブサイト】
【問合せ先】
サクセム研究会
TEL: 03-3231-2553