依頼者
神鋼鋼線工業株式会社
有効期限
2021.6.15から2026.6.14 の5年間
評価履歴
初回:2016年6月15日 |
「円筒コンクリート構造物用PC鋼材定着具『H型アンカー』」とは、主に円筒構造物(タンク・シールドセグメント等)へのプレストレスの導入を目的としたPC鋼材定着具です。
PC タンクや円筒形セグメント構造物等の円筒型コンクリート構造物にプレストレスを導入する場合、構造物の端部に緊張作業空間を確保することが困難であることから、ピラスターを設けて定着されるか、埋設型定着具によって定着されております。
いずれの定着方法においても定着位置においてプレストレスの作用軸が偏心するため、躯体コンクリートは偏心によるモーメントを負担する必要がありました。
また、一部の埋設アンカーにおいては、直線配置が可能で偏心の影響が抑えられるものもありましたが、両引き緊張が不可能であることや緊張後にアンカーを埋設する必要があり、切欠き部分が大きくなるなどの問題点がありました。
このような背景から、躯体コンクリートに与える影響が軽微であり、切欠き部分が小さくなる『H型アンカー』が開発されました。
1. 偏心モーメントが極めて小さい
PC鋼より線が一直線に配置されるため、偏心によるモーメントが発生しません。
2. 切り欠きを小さく抑えられる
アンカーは後埋めではなく、あらかじめ埋設されるため、切り欠きを小さく抑えられます。
3. 小型で作業性がよい
H型アンカー本体、延長治具、AGグリップと部品を分割したことで、アンカー本体が小型・軽量となり施工性がよいです。
H型アンカー本体 (約16kg)
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延長治具 と AGグリップ
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<件数> 1件
<⽤ 途> 建築物屋根
内陸型ガス火力発電所 見学者施設 |
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※写真・画像はクリックすると拡大します。 |
見学者施設として相応しい特徴的な形状と、見学用の展示スペースの確保の観点から、開口部を有する12m程度のスパンの屋根面を成立させることが課題であり、アンボンドPC鋼材とH型アンカーが採用されました。 通常、PC鋼材は外端部に緊張端を設けることが多いのですが、本物件においては防錆などの問題で、スラブ内で緊張することが求められました。 H型アンカーは円筒構造物への適用を想定していることから、スラブ上部においても緊張が可能であり、さらに切り欠きが小さく抑えられるという特徴を有しています。 本製品は円筒構造物への適用のみならず、外端部に緊張端を設けることができない構造に対しても、有効であると言えます。 屋根伏図
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