論説委員 米田雅子
現代日本の建物の多くは、フロー的な設計をストック的な技術で実現した疑似ストック建築である。ストックとしての建物をめざすならば、躯体の冗長性を包含した設計が重要になる。土木の世界でも、社会の変化に対応できる冗長性のあるストック設計の重要性が増している。初期コスト重視の世間の風潮のなかで、土木技術者はその意義を情報発信していくべきである。 (2008.9) 第16回論説(2) 冗長性のあるストック設計
論説委員 土岐憲三
現在の科学技術政策は選定された8分野を対象として重点化しており、それらに関わる各種の専門分野間の融合と連携が行われている。建設系は「社会基盤」が本拠地であるが、そこにとりこもりがちである。また、土木と建築の融合も十分ではないが、大学の大型のプロジェクトでは、次第に壁が取り払う努力が進んでいる。 (2008.9) 第16回論説(1) 科学技術の研究動向における建設系の状況
論説委員 近藤徹
国土は、単に人間の生活・活動基盤であるばかりでなく、生物群集の生息・生育空間でもある。国土の整備を扱う土木工学は、従前構造力学、流体力学を基盤に構築されてきたが、今後は基盤に科学としての生態学の知見を取り入れて再構築する必要がある。 (2008.8) 第15回論説(2) 土木工学に生態学の知見を
論説幹事 塚田幸広
社会資本整備の事業期間を短縮する効果を評価する時間管理概念は、本格的に展開・定着してきた。一方、ETCの導入・展開による渋滞解消の例にみるように、技術革新の開発・導入により十分な機能、効果が非常に短期間で得られる実例が評価されつつある。今後、技術革新による新しい時間管理の考え方を積極的に広め、併せて社会実験等で評価・導入する仕組みを構築することが重要である。 (2008.8) 第15回論説(1) 技術革新が創出する新しい時間管理概念
論説委員 森地茂
近年の社会状況の中で、プロジェクトを発案することに対する土木技術者の意欲が減退していないであろうか。広域地方計画や様々な競争型支援制度が作られる中、土木技術者に、わが国や地域のおかれた状況に対する洞察力、将来像への構想力、実行のための行動力を備え、積極的にプロジェクトを仕立てる熱意と努力が求められる。 (2008.7) 第14回論説(2) プロジェクトづくり
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