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全国土木弁論大会

【開催告知】7月16日(木)全国土木弁論大会2026「有馬優杯」

投稿者:土木広報センター 投稿日時:木, 2026-04-30 12:00

「ことば」で伝える、土木の重要性や魅力!
全国土木弁論大会2026「有馬優杯」を7月16日(木)に開催いたします!

弁論とは、「ことば」だけで思いや主張を伝える、演説形式の競技です。
誰もが発信者となり、それを助けるツールが多様になった今、私たちはどれだけ「ことば」に向き合っているでしょうか。
多様な分野の弁士たちが、「私にとっての土木
」を自らの声で呼びかけます。

■日時 2026年7月16日(木)午後開催予定
※詳細日時につきましては決まり次第お知らせいたします。
■会場 公益社団法人 土木学会
〒160-0004 東京都新宿区四谷一丁目外濠公園内
https://www.jsce.or.jp/contact/map.shtml
■大会監修
有馬 優(ありま ゆう)
一般社団法人日本弁論連盟事務局次長。社会人弁論部代表。
高校在学中より弁論を始め、全国大会で3回優勝。内閣総理大臣賞・文部科学大臣賞等、受賞歴多数。2017年度から2025年度にかけて横浜国立大学の留学生プログラム運営・日本語教育に従事し、土木工学を学ぶ留学生との関わりを通じて、広報活動に関心を持つ。2019年、土木遺産をテーマとした演説「語られざる遺産」を発表し、尾崎行雄杯演説大会にて優秀賞。同演説で「デミーとマツの土木広報大賞2020」優秀賞。2022年、防災と利他の精神をテーマとした弁論「後世への最大遺物」を発表し、文部科学大臣杯全国青年弁論大会にて最優秀賞。
現在は官公庁やゼネコンでの講演、各種弁論大会の審査員・講評のほか、株式会社カエカの話し方トレーニング事業にも参画している。
東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻学術専門職員。横浜国立大学大学院先進実践学環在学。
 
※参考1:文部科学大臣杯全国青年弁論大会「後世への最大遺物」https://youtu.be/EfQN1mGwOpI
※参考2:尾崎行雄杯演説大会「語られざる遺産」https://youtu.be/kQYX4Vroy4Y
※参考3:ドボクのラジオ出演回アーカイブ「土木の優しさを声に乗せて」 http://doboradi.jsce.or.jp/2021/11/25/b-150/
■主催 公益社団法人土木学会 土木広報センター 土木リテラシー促進グループ
■前回大会
前回大会の様子
【開催報告】全国土木弁論大会2025「有馬優杯」を開催!!
https://committees.jsce.or.jp/cprcenter02/node/79
■本行事に関するお問合せ
公益社団法人 土木学会 土木広報センター
〒160-0004 東京都新宿区四谷一丁目外濠公園内 
TEL: 03-3355-3448 E-Mail: cprcenter@jsce.or.jp

 

新着・お知らせ
  • 【開催告知】7月16日(木)全国土木弁論大会2026「有馬優杯」 についてもっと読む

【アーカイブ公開】2025/7/18 全国土木弁論大会2025「有馬優杯」

投稿者:土木広報センター 投稿日時:月, 2025-08-18 12:00

2025年7月18日(金)に開催した全国土木弁論大会2025「有馬優杯」の競弁の様子をアーカイブ公開します。
土木弁論で腕を競う弁士たちの勇姿を、是非ご観覧ください。
また、演題をクリックすると発表原稿を見ることができます。

 

No 演題(原稿)・発表動画 弁士氏名

No.1

奨励賞

「土木は地球を救えるのか」

松永 昭吾

No.2

奨励賞

「土木と哲学、真善美について」

稲田 怜子

No.3

奨励賞

「日本と歩むインフラ道」

Singh Prashant

No.4

優秀賞

「普通ということの幸せ」

塚田 滉大

No.5

最優秀賞

オーディエンス賞

 

「『お陰様』と当り前のインフラを考える」

岩橋 公男

No.7

奨励賞

「すべてがありがたき土木」

平野 貴大

 

 

 

新着・お知らせ
  • 【アーカイブ公開】2025/7/18 全国土木弁論大会2025「有馬優杯」 についてもっと読む

「土木と哲学、真善美について」

投稿者:土木広報センター 投稿日時:水, 2025-08-06 13:03

全国土木弁論大会2025「有馬優杯」 奨励賞

「土木と哲学、真善美について」 稲田 怜子

哲学とは、人が幸せに生きるためにどうしたら良いか考えること。
それを体現したものの1つが土木である、私はそう考えます。

哲学には「真善美」という概念があります。
真は理性や知性を表し、真理を求めることを、善は道徳や倫理を実現すること、
美は自然や芸術の中にある究極の美を見出すこと、これらを目指すことが人間の理想である、というものです。

私はこれを土木の中に見出しました。
皆さんは「円筒分水」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
土木に関わられる方は既にご存じの方もいらっしゃると思います。
「円筒分水」は文字通り、「円」の「筒」で「水」を「分ける」農業土木の1つです。
川や溜池から水路で水を引き込み、自然の物理法則であるサイフォンの原理を用い、動力を使わずに円の中心から水を湧かせ、円周にたどり着いた水を下流の水路へ分配します。

発明されたのは大正時代。
日本は稲作文化であり、水は米作りの生命線です。水が豊富にあると思われがちな日本ですが、水を公平に分配することは非常に難しく、水を求めての「水争い」はとても苛烈なものだったそうです。時に死者が出るほどだったとか。
そのような課題がある中で、土木の専門家である可知寛一がこの問題を解決するために何度も何度も試行錯誤の実験を経てたどり着いたもの、それが円筒分水です。
水を公平に分配でき、しかも視覚的に一目でわかるため、この装置のおかげで各地の水争いがなくなったそうです。まさに「丸く収めた」といえるでしょう。
発明から100年以上経過した現在も、日本の農地で使用されています。
もしかすると皆さんのお住まいの近くでも、今、まさに働いているかもしれません。

私が初めてこの土木装置に出会ったのは、6年前。
長崎の雲仙を旅行していたときのことです。
早朝に宿の近くを散歩していたとき、視界の端に何かがとまりました。
気になって顔を向けると、道路脇に円い形をした構造物が。更にその中心からは水が滾々と湧き続けていたのです。
これはいったい何だろう?何故ここにあるのだろう?この水はどこから来てどこに行くのだろう?当時「円筒分水」という言葉も知らなかった私は、この不思議な構造物と水の流れに魅入ってしまい、なかなか離れることができませんでした。

その後、これは「円筒分水」の名前と造られた歴史的背景、数が減りつつあるものの、全国で利用され続けていることを知りました。
そうして、これまでに現存する240基ほどのうち、220基ほどを訪れました。
現地に赴けば実際の農業の様子を目にします。高齢化し、田畑そのものだけでなく共有財産である水路を維持・管理にも大変な苦労があることが分かってきました。
次第に「私も何かしたい、私に何かできることはないか?」という気持ちが高まってきました。
その想いから熊本の通潤橋の水路と棚田を守るボランティア、神奈川県の久地円筒分水の美化ボランティアに参加し、活動を始めました。
更に水路や畦地の回収ができるよう、小型車両系建設機械免許(バックホーですね)を取得してしまいました。
そして今はこの場所に立っています。
円筒分水と出会う以前には想像もしなかったことです。

さて、私は円筒分水の視覚的な美しさだけでここまで動いてきたのでしょうか?
否、だと思います。

私は円筒分水の中にある「真」と「善」に深く共鳴してきたのです。
「真」…平和を求め、安全を求める人々の希望に応えようとする技術者の努力。
「善」…争いをなくし、平和をもたらす仕組み。そして今日も維持する人々たちの活動。
「美」…「循環」や「和」を表す円が自然の法則を活かした理にかなった構造として取り入れられていること。

これらが全てあったからこそ、行動に移せたのです。

本日は私の体験を基にお話しをしましたが、土木全てに言えることだと思います。
「土木構造物」は、人々の幸せを願って設計され導き出され具現化されたものであり、それを維持することで人々の生活の礎を作っています。
そして結果としての美しさがある、まさに真善美、なのです。

私たち一人ひとりの中に、「真・善・美」を求める心があります。
これは土木の専門家であるかを問いません。その心に従って、一歩を踏み出すこと。
それが、幸せに生きるための哲学であり、土木の本質でもあると、私は信じています。

 
  • 「土木と哲学、真善美について」 についてもっと読む

「すべてがありがたき土木」

投稿者:土木広報センター 投稿日時:火, 2025-08-05 15:29

全国土木弁論大会2025「有馬優杯」 奨励賞

「すべてがありがたき土木」 平野 貴大

昭和30年代後半―「現代版川中島」とも呼ばれたダム建設を巡る闘争があったことをご存知でしょうか。
九州は筑後川の治水のため計画された下筌・松原ダムの建設をめぐって国と地元の間での闘争である。
この闘争で蜂の巣のようなバリケードが作られたことから「蜂の巣闘争」とも呼ばれ強制執行を試みる国、それを阻止する地元住民との激しい闘争が10年近く展開されました。
現地の資料館に行くと当時使われた看板の現物があったり、「蜂の巣」のようなバリケードの写真があったりとその闘争の激しさを感じました。
日本において公共事業の進め方が議論になった最初の例とも言われています。

 
さて、わたしはいま高速道路会社に所属しています。歴史上の川中島古戦場の近くの事務所にて長野県の北半分およそ170㎞の高速道路管理に従事しています。
このエリアは日本を二つに分断するフォッサマグナの西の端にあたり、地盤が脆いのが特徴でまた建設から30年が経過し維持補修のターンに突入しています。
そして日本屈指の豪雪地帯であり、土木構造物にとっては厳しい環境であります。そのなかでわたしは、盛土や橋梁の改良工事、事前の調査設計などの計画立案、発注などを担当しています。
ときに沿線住民の方へその計画の説明をすることがあります。工事の騒音・振動、側道の一時的な通行止め、土地を貸して頂けないかといった相談事です。
多くの方は「いつもご苦労様」など温かい言葉で理解してくれます。ただ、なかには建設当時の対応についてご意見を頂いてしまい交渉が難航することもあります。
こうしたシーンに直面すると、やはり土木というものは誰かの犠牲、いや誰かが「より良い未来」を思っての理解で成り立っているのだと認識しています。
一般にインフラが整備されるとその整備効果が強調ばかりされますが、その裏では建設から改良工事のシーンまで、地元の皆さんのご負担があること忘れてはいけません。

こうして作られた無数の土木構造物もそれ自身、普段は何も語らずそれぞれ役割を果たしています。
しかし、たとえば地震で盛土が崩れ道路が寸断されたとき、あるいは大雨で電気が止まったとき、皆さんはどう思うでしょうか。
当たり前にある土木が役割を果たせなくなったとき、そのありがたみを初めて感じるという方が大半でしょうか。
どの土木構造物も、技術者や近隣住民から今を生きる我々への思いが乗っていること、そして今のそれを守るべくたゆまず仕事をしている人がいますが、それはなかなか見えるものではありません。

わたしは大学で土木工学を学び、街歩きや土木遺産めぐりを趣味としてきました。ダム建設に伴う住民の移転など様々な痛みを伴ってできたというような話によく触れてきました。
それでもその施設を切望したのは、この山がちな国土という使いにくい自然そしてときに災害という形で牙を向く自然との対峙があるからではないでしょうか。
先ほどの下筌・松原ダムでも、毎年何万人も下流域の方が洪水の被害にあって来られました。そうした歴史がどの土木にも隠されています。
皆さんもぜひ、身の回りの土木がどうして作られたのか、どのように作られたのか様々な土木構造物を見に出かけて、思いを馳せてみて頂きたい。
それは地域の地理・歴史を知ることにも繋がる。それは激甚化する災害への備えにも繋がる。「すべてがありがたき土木」誰の目にも止まらないような道路の側溝や排水管ひとつひとつも同じであります。
これら一つとしてうまく機能していなければ道路本体の損傷を早めてしまいます。そんな隠れた土木構造物も自分オリジナルの視点で存在意義を見つけるのもまた面白いものではないでしょうか。

そしてわたしは、高速道路というインフラを司る者として、高速道路が災害時も速やかに復旧し災害復興の支えになるよう、「当たり前にあるインフラ」であるべく、日々研鑽を積んでいく。
必要な工事があれば「法に叶い、理に叶い、情に叶う」といった姿勢で臨みたいと考えます。これは、「蜂の巣闘争」の室原氏が残したことばである。
関連法令に基づくことは勿論、誰かの犠牲をお願いする際には、「理にかなった」常識的なやり方で「情をもって」誠心誠意相手方に寄り添う、血の通ったやり取りが必要になると考えます。
「ありがたき土木」を守る者として、土木を使う人にも理解してくれる近隣の方にも、責任ある対応をし、皆さんの思いを結集して次の世に残していくことが使命だと感じます。

「すべてがありがたき土木」―これからも住んでいる地域のみならず日本中を回り、それぞれの土木が持つストーリーに耳を傾け自らの栄養とし、
まだ誰も見つけていないような大小様々な土木構造物の魅力を見つけ、世に発信して参りたい。

 
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「『お陰様』と当り前のインフラを考える」

投稿者:土木広報センター 投稿日時:火, 2025-08-05 15:25

全国土木弁論大会2025「有馬優杯」 最優秀賞・オーディエンス賞

「『お陰様』と当り前のインフラを考える」 岩橋 公男

皆さんは、「土木」と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか。

今日ここにいる皆さん、そして、画面の向こうの皆さんも、「土木は素晴らしい!」との想いを持つ方が多いのではないでしょうか。
私も、そう思います。けれども、私たちのこの想いが一般市民とどれほど共有されているでしょうか?私は、疑問を感じてしまいます。どうしたら良いのでしょうか。
私は、考えます。土木は素晴らしい、素晴らしいとだけ語るのではなく、もっと市民に寄り添って、土木の負の側面、陰の部分も語らなければいけないのではないでしょうか。
内輪で、盛り上がっていてもそれは、自己満足にすぎないと思えてなりません。

物事には、必ず二面性があります。正と悪。表と裏。土木も同じです。陰の部分を語ることで、表の素晴らしさがより深く伝わるのではないでしょうか。
 
私は、ゼネコンに入って33年間、現場で色々なインフラを造ってきました。原子力発電所、下水処理場、地下鉄、駅、活線の橋梁架け替えなどなど。
現場では、きれい事だけではすまないことがたくさんあります。
近隣住民からの昼夜休日問わずの批判、危険と隣り合わせの現場、使命感の薄い作業員との軋轢、発注者との闘い、そして、ここでは語れない陰の部分も多々ありました。
厳しい苦難に何度も涙し、くじけそうになりながらも、必死に乗り越えてきました。そして、そこに作業をする人達がいてこそ出来上がるということも痛感しました。
その中で、完成はもちろん、少しずつできていくことの喜び・感激、近隣からの「ありがとう」の言葉。土木を愛せざるを得なくなりました。
まさに現場は、二面性に満ちていました。

 
若い頃、街中をヘルメットに長靴で歩くと、遠ざかる視線、侮蔑の言葉が刺さりました。
「作業員がいなかったら、これは造れない。この恩恵を受けるのは、あなたたちですよ。」と、どれほど言いたかったかことか。
皆さんは、「土木は素晴らしい」と言う時に、汗を流す作業員に想いを馳せたことがあるでしょうか。

 
こんな話があります。
高速道路関係の工事をしているとき、反対している住民が言います。「俺は車に乗らないから、高速道路は要らない。」と。
私は、「すみません。」と頭を下げるしかありませんでした。けれど、本当は言いたかった。
「あなたは、八百屋に新鮮なキャベツを買いに行きますよね。そのキャベツはどうやって八百屋に運ばれてきたのですか。産地からトラックで高速道路を使って運ばれてきたのではないですか。
その高速道路を造った時に地元の人達は、涙を呑んで来たのです。今度は、あなたが涙を呑む番になったのではないですか。」と。その工事は、反対者3人のために2年、工事が止まりました。
こんなことも最近ありました。弊社が建てたマンションの住民が、隣の新築の弊社の工事現場に対して、「うるさい、なんてひどい工事をしているのだ。なんて会社だ。」とSNSに書き込んでいました。
自分の住んでいるマンションも同じような工事をしてできているのです。その時に誰の迷惑も掛けずに工事がなされたのでしょうか。お互い様の感覚はないのですね。
そして、そのうるさい環境の中で働く作業員がいるのです。その人達への想いはないのでしょうか。

 
インフラは、市民の暮らしを支える礎です。電気、水道、交通などそれが当り前の様にあることで、市民の生活が「安全・安心・快適」になります。
けれどもそれは、本当に「当り前」なのでしょうか。
「安全・安心・快適」の陰には、「英知・努力・犠牲」があってこそではないでしょうか。
「当り前」こそが、その陰に色々な人達のはたらきがあってこそであって「当り前」ではないと私は、考えます。

 
日本語には『お陰様』という素晴らしい言葉があります。陰に『お』も『様』もつける様な心を日本人は持って来ました。土木は、まさに『陰』に当たります。
陰は決して表に出る必要はなく、陰のことを想ってくれる人達がいればそれで良いのです。
当り前は、陰があってこそ、今、その陰の部分に想いをはせることもなく、当り前が当り前になりすぎているように想えて仕方ありません。
『お陰様』が死語になりつつありませんか。私は、『お陰様』を復活させたいと願っています。
最後に、皆さんに一つ質問します。
東京メトロでは、夜中、終電後に一日何件の工事が行われていると思いますか?
答えは、およそ200件から250件です。軌道、電気、信号や、土木、建築など、様々な作業があって、それが、初電前にはきれいに終わっている。
それで日々、安全で安心で定時に地下鉄が走っているのです。
まさにお陰様ではないでしょうか。人々が寝ている時間に汗をかいている人達がいることに感謝の心を持つこと、子供達には、そんな教育が必要と考えます。
そうでないと、電車が少し遅れただけで、駅員にクレームを言う人になってしまうのでは、と思います。

 
「当り前」である事への感謝。そして、その「当り前」を当り前にしている人達への感謝。
「お陰様」の心を私たちの社会の中に広げましょう。そして、市民に向かって堂々と「土木は素晴らしい!」と語りましょう。
 
 
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「普通ということの幸せ」

投稿者:土木広報センター 投稿日時:火, 2025-08-05 15:21

全国土木弁論大会2025「有馬優杯」 優秀賞

「普通ということの幸せ」 塚田 滉大

「みなさん、今日はこの会場まで、どのように来られましたか?」

電車に乗って来た方。
バスに揺られてきた方。
駅から歩いてきた方。
きっと様々だと思います。

ですが、その道中で、“道の凸凹”や“段差”に注意して来た方は、どれだけいたでしょうか。

ほとんどの人にとって、歩くことや移動することは、「当たり前」なのかもしれません。

そこで、ひとつ質問です。

「当たり前」とは、一体なんでしょうか。

「当たり前」とは、日々の繰り返しによって作られる感覚です。
「慣れ」と言い換えてもいいでしょう。

人は慣れていく生き物です。

慣れは、日々の暮らしを楽にしてくれる人に備わった、便利な機能です。

ですが、その「慣れ」によって、
本当に大切なものを見失ってしまうこともあります。

「当たり前は当たり前ではないの」にです。

電車があるのは当たり前ですか?
バスが走っているのは当たり前ですか?
道路が整っていること、自分の足で歩けることは、本当に当たり前なのでしょうか?

今から11年前、私は「当たり前ではない」ということを痛いほど知りました。

14歳の夏。脳出血で倒れました。

右半身の麻痺。
失語症という言語障害。
右半分の視野が欠ける右同名半盲。

今こうして皆さんの前で話していますが、当時は話すことも、話を聞いて理解することも、文字を読むことも書くことも、まったくできませんでした。

それまで「普通」だ思っていたことが、突然できなくなったのです。

病気になって、初めての外出。
家族とラーメン屋に行きました。
病院の中には段差も凸凹もありません。

一歩外に出ると、そこには現実の「社会」がありました。

ラーメン屋に着いた、私の目に入ったのは、のれんではなく、入り口の3段の段差でした。

小さな段差が、大きな壁のように感じました。
私は思いました。
「これじゃあ、歩けない人は、ラーメン屋に行けないじゃん」そう思ったのです、

病気になって、私の「視点」は変わっていました。

そして今、私は理学療法士として働いています。

仕事では、患者さんが抱える課題を見つけ、それをどう乗り越えていくかを常に考えています。

その中で、身体機能と同じくらい大切なのが、「環境」です。

なぜなら、同じ体の機能でも、環境が違えば「できること」と「できないこと」は大きく変わるからです。

道がデコボコしていれば、車いすは通れません。
ほんの数センチの段差で、躓く人がいます。

私たちにとっては些細なことでも、高齢者や障害のある方にとっては、大きなハードルなのです。

実際に、生活道路のバリアフリー整備を行った地域では、高齢者の外出頻度が週4.5回から6.2回に増加し、徒歩の移動距離は1.5倍に伸びたという研究報告があります。
(出典:土木学会論文集D3)

さらに、「転倒が不安」と答えた人の割合は、整備前は7割だったのに対し、整備後は4割へと減少しています。

つまり、環境が整えば、外に出るハードルが下がり、
外出する機会が増え、
活動量が増加し、体力がつくことにつながる、ということになります。

人と関わる機会も増え、その人らしい人生を歩みやすくなる。

リハビリとは一言で言えば、「できなくなったことを、もう一度できるようにする」こと。

そしてその背景には、体だけでなく、心や環境が大きく関わっているのです。

そう考えたとき、私は思いました。
土木は、人の人生を変える力を持っている、と。

道路、橋、スロープ、
土木は暮らしに欠かせないインフラであり、ライフラインです。

でもそれは、物理的なラインだけでなく、
「心のライフライン」でもあるのです。

道があることで、もう一度外に出る勇気が湧く。
スロープがあることで、自信を持って出かけられる。
整備された道が、人生の再出発を支えてくれる。

土木には、そんな力があります。

そして、最後に伝えたいことがあります。

それは──

当たり前は、当たり前ではない。
ということです。

現代を生きる私たちは、あまりに多くのものに囲まれすぎて、
本当に大切なものを、見失いがちです。

だから悲しいことに、
多くの人は、大切なものを失ってから、その価値に気づいてしまう。

土木は縁の下の力持ちです。

日常にあるのが当たり前すぎて、
改めてその大切さを、気づくことが難しい。

健康と とても良くも似ていると私は思いました。

空気のように、ないと生きていけないのに、気づきことが難しい。

歩けること。
話せること。
目が見えること。

失ったら、とても困るのに、失ってから気づいてしまう。

すぐそばにある幸せが、当たり前になってしまう。

だから私は改めて、当たり前ということに、目を向けて欲しい、
そう思うのです。

皆さんの当たり前が
皆さんの幸せが
皆さんの普通が
これからも続きますように。

 

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「日本と歩むインフラ道」

投稿者:土木広報センター 投稿日時:火, 2025-08-05 15:19

全国土木弁論大会2025「有馬優杯」 奨励賞

「日本と歩むインフラ道」 Singh Prashant

皆さん、こんにちは。私はインド政府の海運港湾省のプラシャント・シン(Singh Prashant)と申します。
今、横浜国立大学でインフラマネジメントを研究しています。インドの政府で働いていますが、今は日本で勉強しています。
今日は、「日本と歩むインフラ道」というテーマで、私の経験と思いを話したいと思います。

 
私は子どもの時、台風で道が壊れるところを目の当たりにしました。
車が走れず、人々が大変になりました。私は、「インフラはとても大切」と思いました。
その後、インドで政府の仕事をしながら、たくさんのプロジェクトに参加しました。
その時、「良い社会には、強いインフラが必要」と強く感じました。

 
日本で研究して、私は毎日びっくりしています。日本のインフラ技術は、とても丁寧で、緻密です。
橋梁やトンネルの設計、防災の準備、維持・管理の仕方——全部、インドと違います。
それから、日本のインフラは、人の暮らしを大切にしています。
電車は時間通りに来ます。歩きやすい歩道、災害に強い構造物。日本のインフラは、安心と信頼を提供しています。
でも、日本のインフラはちょっと高いです。例えば、新幹線も高いです。
リニアモーターカーはどのぐらい高くなるか、怖いぐらいです。

 
インドは、日本からたくさんの支援をもらっています。
例えば、鉄道の近代化、高速道路の開発、ゴールデンクアドラングルのプロジェクト、ムンバイとアーメダバードの新幹線。
日本の価値観や技術がインドに伝わってきます。
これは、「一緒に未来をつくる」という気持ちだと思います。

 
インフラは、「道」や「橋」だけではありません。「人」や「国」をつなぐものです。
私も、日本とインドをつなぐ架け橋になりたいと思っています。

 
私にとって、インフラは「未来への希望」です。インフラは、暮らしを良くし、世界をつなげます。
私は、インドに戻ったあと、たくさんの人のために働きたいです。
ご清聴、ありがとうございました。

 

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「土木は地球を救えるのか」

投稿者:土木広報センター 投稿日時:火, 2025-08-05 15:11

全国土木弁論大会2025「有馬優杯」 奨励賞

「土木は地球を救えるのか」 松永 昭吾

100億人――これは、わずか25年後、2050年の地球人口の予測です。第二次世界大戦後、わずか100年ほどで、地球上で暮らす人は4倍に膨れ上がります。
先進国では人口が減少する一方、開発途上国では爆発的に増加し、世界中で水や食料の不足、資源や土地の奪い合いが懸念されています。
欧米型近代化が世界を席巻し、利便性が高く、工場の立地に適した川沿いの軟弱低平地に人口が集中することで、地震や津波の被害が増大するでしょう。
さらに地球温暖化の影響により、豪雨、台風、高潮、竜巻などの異常気象が激甚化し、人口過密地域を中心に新型伝染病の感染拡大に歯止めがかからなくなると予想されています。

私は30年以上にわたり、国内外で火山の噴火、豪雨、干ばつ、地震などの自然災害や、インフラの老朽化対策に取り組んできた土木技術者です。
私が考える土木が解決すべき地球規模の課題は、大きく三つ―――一つ目は人口増加による水・食料・エネルギーの不足、、、二つ目は戦後に大量に建設されたインフラの老朽化、、、
そして、三つ目は地球温暖化による災害の激甚化です。そこで私は、「土木は世界を、そして地球を救えるのか」という視点でお話ししたいと思います。

近年、私が強く危機感を感じているのは、明治維新以降の、特に戦後80年の日本の欧米型近代化の歩みを経済発展の成功例として、世界の多くの開発途上国が追随していることです。
効率化のため過度な人口集約が必要なため、自然減少の起伏が小さい地域であれば持続可能です。しかし、自然現象が激しく、
地震や豪雨が頻発する日本では、持続可能性に限界があることを私たちはすでに学んでいます。
産業革命の恩恵を受ける一方で、自然の恵みを放棄し、災害を増大させてしまった歴史を私たちは  150年にわたって経験してきたのです。
経済成長や利便性を優先するあまり、今なお自然災害によって尊い命が失われ続けていることに、私たちは「お天道様がやることだから」と諦めてしまっているのではないでしょうか。
その土地で暮らす安全は、地形、地質、気候、歴史などを踏まえなければ、人工物で無理に加工しても限界があります。

この150年間、土木技術者たちは命を守るために技術を磨いてきました。幕末に締結された日米修好通商条約を受けた五港開港により、
海外からコレラ菌が侵入し、年間10万人以上が死亡した年もありました。
これを食い止めるために近代水道・下水道の整備を進め、明治後期にはコレラ患者をほぼゼロにまで抑えることができました。
この技術は世界にも輸出されていますが、残念なことに現在でも水道水がそのまま飲める国は十数カ国しかありません。水の奪い合いによる紛争も多発しています。

また、昭和40年代には交通事故による死亡者が急増し、1970年には年間16,765名が命を落としました。
その後、自動車保有台数は4.8倍に増加しましたが、土木は歩道の設置やバイパスの整備などにより、交通事故による死亡者を二千五百名ほどに抑え込むことに成功しました。
さらに、戦後の人口過密化によって汚染された河川も、下水道の整備と法制度の強化により、令和6年には一級河川の 96%が環境基準を満たすまでに回復しました。
我が国は、人間が壊してしまった自然を、土木技術によって取り戻すことができたのです。

しかし、私たちは新たな課題に直面しています。昨年、私が暮らす福岡都市圏では1日5万トンの水が不足しました。
福岡市周辺には大きな川がなく、筑後川から水を分けてもらっていますが、近年では線状降水帯の影響でダムに貯めきれない水が有明海まで流れ、人が利用できる水が不足しています。
日本一の海水淡水化施設によって水をなんとか確保しましたが、そもそも大きな川のない地域に人口を集中させることが持続可能な都市なのか、改めて考える必要があります。

これからの土木は、受け身ではなく、積極的に人々の暮らし方を提案する役割を担うべきです。
災害で命を失うことのない世界、戦いのない幸せな暮らしを世界中で創り出すために土木が求められています。
そのためには、人類だけでなく、他の生物や地球そのものに優しい技術でなければなりません。
世界を画一化するのではなく、その土地に合った暮らし方を創造することで、土木は地球を、人類を救うことができると私は信じています。

地球規模の課題を「武力」ではなく「技術力」で解決できる土木でありたい。土木はやさしさをカタチにする仕事なのだから。。。

ご静聴ありがとうございました。

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【開催報告】全国土木弁論大会2025「有馬優杯」を開催!!

投稿者:土木広報センター 投稿日時:火, 2025-07-22 16:00

  
  
(開催の様子)

 
土木リテラシー促進グループでは、2022年の第1回、2023年の第2回、2024年の第3回開催に続き、「ことば」だけで土木を語る、全国土木弁論大会2025「有馬優杯」を開催しました。
全国土木弁論大会は、伝統的なスピーチ競技である「弁論」を通じて、土木の重要性や魅力の言語化、業界内外での新たな議論の促進を目的とした企画です。
「ことば」と「こころ」に向き合ってきた弁士たちが、「私にとっての土木」をテーマに、渾身の土木弁論で腕を競いました。
会場24名、オンライン(Zoom)326名の計350名に観覧いただきました。

 

最優秀賞・オーディエンス賞は岩橋公男氏(佐藤工業株式会社)、優秀賞は塚田滉大氏(DavRu株式会社/ぜろひゃく訪問看護リハビリテーション)が受賞しました。

 

■日時:2025年7月18日(金)13:30~16:00
■場所:土木学会本部 講堂(東京都新宿区四谷一丁目外濠公園内) / オンライン(Zoom)
■弁論テーマ:「私にとっての土木」
■弁士:
①「土木は地球を救えるのか」
  松永 昭吾[株式会社インフラ・ラボ]
②「土木と哲学、真善美について」
  稲田 怜子[会社員]
③「日本と歩むインフラ道」
  Singh Prashant[横浜国立大学]
④【優秀賞】「普通ということの幸せ」
  塚田 滉大[DavRu株式会社/ぜろひゃく訪問看護リハビリテーション]
⑤【最優秀賞・オーディエンス賞】「『お陰様』と当り前のインフラを考える」
  岩橋 公男[佐藤工業株式会社]
⑥「終わらない一生」
  正躰 幹人[団体職員]
⑦「すべてがありがたき土木」
  平野 貴大[東日本高速道路株式会社]

■大会審査員・司会:    
<審査員> 
齋藤 正徳  [国土交通省大臣官房参事官グループ事業評価・保全企画官]
石井 純一  [茨城大学全学教職センター 特任教授]
水嶋 恵利那  [株式会社ハナシコム代表取締役]
<司会> 
中野 朱美[フリーライター]
 
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【弁士決定!】全国土木弁論大会2025「有馬優杯」の弁士が決定しました!

投稿者:土木広報センター 投稿日時:木, 2025-06-05 15:22

7月18日(金)に開催する全国土木弁論大会2025「有馬優杯」の弁士7名が決定しました!!

当日は、弁士たちの土木への思いが込められた熱い弁論をぜひご覧ください!!​

 

弁士No.1 松永 昭吾(株式会社インフラ・ラボ)

弁士No.2 稲田 怜子(会社員)

弁士No.3 Singh Prashant(横浜国立大学)

弁士No.4 塚田 滉大(DavRu株式会社/ぜろひゃく訪問看護リハビリテーション)

弁士No.5 岩橋 公男(佐藤工業株式会社)

弁士No.6 正躰 幹人(団体職員)

弁士No.7 平野 貴大(東日本高速道路株式会社)

 

大会の詳細、観覧(会場・オンライン)申込についてはこちらをご覧ください。

 

全国土木弁論大会2025「有馬優杯」フライヤー

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