日程:2017年11月23日(木・祝)13:00~16:45
場所:土木学会 講堂(東京都新宿区四谷一丁目外濠公園内)
参加費:無料
お申込:http://www.jsce.or.jp/event/
主催:土木学会
共催:日本建設業連合会、建設コンサルタンツ協会、セメント協会、電気事業連合会、日本橋梁建設協会、日本港湾空港建設協会連合会、日本鉄道施設協会、日本道路建設業協会、プレストレスト・コンクリート建設業協会、日本埋立浚渫協会、全国上下水道コンサルタント協会、関東地域づくり協会
後援:厚生労働省、国土交通省、総務省(予定)
第一部 13:00~15:20
土木学会の挑戦 -地方創生に向けた「安寧の公共学」を目指して-
我が国では災害の頻発・激甚化に伴い、社会資本整備の重要性が増す一方、人口減少時代へ突入し、特に地方における活力低下が問題となってきています。これからの社会資本整備には、災害に対する脆弱性の克服という既往の使命に加え、自然共生や生物多様性、気候変動などのグローバルな課題にこたえつつ、地方の個性・魅力を引き出すという多面的機能を備えることが必須です。これらの視点は、個別分野の議論にとどまり、いまだ共通認識にはなりえていません。本シンポジウムでは、近年の社会資本整備の現況と課題、今後の方向性について話題提供し、地方の社会資本整備の在り方についての公開討論を行います。そして、土木学会の大きな挑戦である「安寧の公共学」構築に向けて取り組むべき課題・方策について議論を深めます。
話題提供
二井昭佳(国士舘大准教授)、真田純子(東京工業大准教授)、高尾忠志(九州大准教授)
討論会
大石久和(土木学会会長)、島谷幸宏(コーディネーター・九州大教授)、話題提供者3名
企画主旨
人口減少や環境配慮など、地域をめぐる検討事項が多様化している今、土木のあり方について考え直す必要性に迫られている。これまで土木と地域について考える際には、土木構造物のもたらすマイナス面をいかに減らすかという議論が多かったが、本シンポジウムでは、土木の必要性を考えるスタート地点を変化させることによって、土木技術と地域の相乗的な効果を狙うという、未来への可能性につながる議論をしたい。話題提供では土木技術とまちづくりをつなぐことを念頭に、3つの話題提供を設ける。それを受けてパネルディスカッションでは、これから土木学会がやるべきことについて話し合いたい。
話題提供1 石積みから見る土木と地域(東京工業大学・真田純子)
一般に土木施設は一律の基準を決めることで普及や発展を図ってきたが、地域の多様性や持続可能な開発が重視されるようになった今、「地域の実情に合わせる技術」も必要であり、これが地域の個性を生み地域の発展につながる。こうしたことについてイタリアやフランスの事例を紹介する。また、近代土木では見捨てられた空石積みを公共事業に位置付けるためのフランスの試みなど、地域の価値に土木技術を合わせていく方法についても言及する。
話題提供2 エンジニアリングとデザインの協働が生み出す新たな風景(国士舘大学・二井昭佳)
土木のエンジニアリングとデザインが協働することで、どのような地域力を高める魅力的な場所が生まれるのか。治水とまちづくりという一見相反しがちな課題を両立するために、「Mobile flood protection system」と呼ばれる可動式の堤防を用い、魅力的な地域づくりを実現しているドイツ・バイエルン州の治水整備の事例を紹介しながら、エンジアリングとデザインの協働が生み出す可能性について話題提供する。
話題提供3 地域再生に貢献する社会資本整備を推進するための仕組み(九州大学・高尾忠志)
地方自治体の現場で起きている課題は複合的である。複数の課題を一体的に解決するアプローチが必要であり、同時に、複数の分野による学際的な検討が求められる。こうした横断的な検討プロセスを既存の縦割り行政で実現するためには、専門家がより深く自治体行政に参加し、専門的な観点から自治体行政をコーディネートすることが有効である。その一事例として、平成25年度から長崎市に創設された「景観専門監」を事例として紹介する。
第二部 15:20~16:45
土木偉人映像展 -古市公威-
土木学会初代会長・古市公威を取り上げます。「将ニ将タル人ヲ要スル場合ハ土木ニ於テ最多シトス」と土木の総合性の尊重を主張したことで知られますが、現代土木に求められる多面的観点にも通ずる主張の神髄を皆さんと探っていきたいと思います。解説には高橋裕東京大学名誉教授をお迎えいたします。
運営:土木広報センター・市民交流グループ・土木の日実行グループ
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