世の中には「安全な構造物」と「危険な構造物」の2種類しかなくて,その2種類ははっきり区別できるようになっているのか?もちろんそんなことはありません.ミスなく設計・施工された構造物でも,「相対的に安全性(信頼性)の高い構造物」と「低い構造物」があるだけです.近年設計基準類には,性能照査を定量的に行える内容であることが求められています.要求性能の内容を可能な限り明示することとともに,構造物の品質の指標となる「性能の担保の確実性の大小」も推定できるようにすべきなのです. そのためには,設計基準作成者,設計者がともに要求性能の定量化が照査内容にどのように反映されるかについての十分な知識を共有することが必要となります.このような問題意識を持って,このたび土木学会構造工学委員会では「信頼性設計法に基づく土木構造物の性能照査ガイドライン」を構造工学シリーズNo.28として発刊することとなりました.(平成30年10月下旬発刊予定)
本講習会では,この性能照査ガイドラインの内容を紹介するとともに,土木構造物の設計実務で使われている各種設計基準類を信頼性設計法やこの性能照査ガイドラインの考え方を取り入れて改訂する場合の課題や問題点について明らかにすることで,信頼性設計法に基づく性能照査方法の将来像について,講習会に参加される皆さんとともに討論したいと思います.
信頼性設計法に基づく性能照査の現状を理解していただくためにも,設計基準類の制定に携わっている方々や設計実務をされている方々には有用な講習会であると思います.奮ってご参加下さい.
記
1.主 催:土木学会 構造工学委員会「設計基準体系における安全性照査ガイドライン策定小委員会」
2.期 日:平成30年11月6日(火)(東京)/11月19日(月)(大阪)
3.会 場:(東京)土木学会講堂(〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目 外濠公園内)
(大阪)神戸大学梅田インテリジェントラボラトリ(〒530-0014 大阪市北区鶴野町1-9 梅田ゲートタワー8階)
4.参加費:正会員7,000円/人,学生会員4,000円/人,非会員10,000円/人
(「信頼性設計法に基づく土木構造物の性能照査ガイドライン」の書籍代が含まれています)
5.申込方法
下記URLから直接お申し込みください.
http://www.jsce.or.jp/event/active/information.asp
申込期限:平成30年10月26日(金)(東京)/11月9日(金)(大阪)
6.講習会プログラム:
第1部 性能照査ガイドラインの説明
13:30~13:40 ガイドラインの目的・講習会の主旨・・・佐藤尚次(中央大学)
13:40~13:55 本文 ・・・藤田宗久(清水建設)
13:55~14:10 目標性能水準の設定方法 ・・・秋山充良(早稲田大学)/北原武嗣(関東学院大学)
14:10~14:25 確率変数の分布形と統計量 ・・・鈴木修一(東電設計)
14:25~14:40 信頼性解析・部分係数の設定方法 ・・・吉田郁政(東京都市大学)
(休憩)
第2部 信頼性設計法に基づく設計基準の展望と性能照査ガイドラインの課題
14:50~15:10 道路橋示方書 ・・・河野哲也(富山大学)
15:10~15:30 港湾の施設の技術上の基準 ・・・宮田正史(国土技術政策総合研究所)
15:30~15:50 鉄道構造物等設計標準 ・・・西岡英俊(鉄道総合技術研究所)/佐名川太亮(鉄道総合技術研究所)
15:50~16:10 土木学会の取り組み ・・・本間淳史(東日本高速道路)/中村光(名古屋大学)
16:10~17:20 質疑応答・討論 ・・・コーディネータ:佐藤尚次(前掲)
17:20~17:30 まとめ ・・・佐藤尚次(前掲)
7.その他
本講習会は,土木学会継続教育(CPD)プログラムの認定を受けています(4.0単位).
8.問合せ先:
土木学会構造工学委員会・事務局 橋本剛志(hashimoto@jsce.or.jp)
添付 | サイズ |
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会告(1106東京会場).pdf | 135.71 KB |
会告(1119大阪会場).pdf | 136.03 KB |