「国際センターだより」では、土木学会の国際活動の一端を紹介しています。国際センターが毎月発行している「国際センター通信」と合わせて是非ご一読ください。
■英国分会と土木技術者の国際化実践小委員会の意見交換会
本年度より上田会長の会長特別プロジェクトとして土木界の国際化をテーマに3小委員会が具体化を進めている。そのうちの一つ、土木技術者の国際化実践小委員会(委員長:小沼恵太郎氏)は、日本の土木技術者の海外への意識と経験を高めることを目的に、長大橋、インフラメンテナンス、インフラビジネス、育成をテーマとする4つのワーキンググループが実働部隊として活動を展開している。今回、本小委員会が英国分会とオンライン意見交換会を行った(2023年1月18日)。英国分会のメンバーの多くが日本企業の駐
在員や現地の大学や企業に籍を置く日本人であり、日英両国の土木界を熟知している。この英国を拠点する彼らの目に映る日本の土木界、英国と日本の土木技術者の仕事の仕方、プロジェクトマネジメントの考え方、ダイバーシティ観、グローバル人材確保の意義等について意見が交わされた。例えば、多民族・多文化社会である英国の企業には多様性はごく当たり前のことであり英語を共通語として使っている一方、日本は、これだけ多くの企業が海外に出ているにも関わらず、依然として国際化や多様性をうたい続けている。それぞれの多様性へ意識や環境、柔軟性の一端が見えてきた。
欧州の一角を占める英国が進める海外展開は、遠く海を隔てた日本から発信展開するそれとは異なる。世界のどこに位置し、どんな情報や手法・方法を得て世界と向き合い、優位性を築いていくかは、その国の歴史や地理、その中で醸造されている文化や気質、そして将来のどこに焦点を当てていくのかにもつながるようである。英国分会との議論はまだ続く。今後議論を深めながら、グローバル化を支える「何か」をつかみたいものである。
写真1 古い街並みを走るダブルデッカー
写真2 ロンドンの時を刻むビッグ・ベン
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